尾びれの音
カポ、カポ、ジュボ、ツィーーーー、ジャッポーンン、ベチベチ、ジャボーン・・・
伝わるか分かりませんが、3週間狙っていた軍団の一員との出会い。
ジャンプ力は過去に出会ったニジマス中トップクラス、そのたびに息を吸い込む私。
4,5回のジャンプで抵抗を試みたその魚は、次にフロータの影に入り込もうと突進。
慌ててライン処理、後退しながらリールにも巻き込み、無理に引き寄せず消耗戦に切替え。
やや産卵の疲れが残る容姿、それもあってかスピード感より重量感を感じた1尾。
秋なら取れなかったかも知れないと感じたと同時に、秋にまたお手合わせを願いたいとも。
消耗戦に持ち込んだ自分を反省しつつ、前のエプロンを外して念入りに回復させる。
大きな泡がエラから2、3度吐き出され、その後魚体を左右に揺らし、底へ戻りたいと訴える。
次の1尾を狙いに再度沖へ向かう途中、いつものイルカ君が悠々とクルージング。
少しの波紋でも消えうせる用心深さを知っている自分はキャストも出来ず見送った。
彼に対峙する資格は、今の自分には持ち合わせていないと感じた一瞬だった。